(議論16) 1911年の奄美大島近海の地震について
1911年の地震は、被害地震総覧などでは喜界島近海の地震と呼ばれているが、広範囲に被害が及んでいることから、本書では、奄美大島近海の地震と表現した。この地震は、余震が比較的少ないこと、津波が弱かったこと、有感領域が広いことから、沈み込んだフィリピン海プレートの深い地震とする考えと、震源域の位置、津波の第一波や地震計の東西成分の初動を1995年の地震と比較した結果からプレート境界の地震とする考えとがある。
(参考文献)
建設省国土地理院(1994):地震予知観測の成果(3)―近畿・中国・四国・九州・沖縄地域―,地震予知連絡会地域部会報告第6巻,310pp
角田寿喜・後藤和彦・宮町宏樹・平野舟一郎・清水力・岩切一宏・中辻剛・立山清二(1997):地学雑誌,106,476−485