(2)佐賀県に被害を及ぼす地震及び地震活動の特徴

佐賀県に被害を及ぼす地震は、主に陸域の浅い地震である。なお、佐賀県とその周辺で発生した主な被害地震は、図9−23のとおりである。

 佐賀県には、有明海に面し厚い粘土層が堆積している筑紫平野とそれを囲むような北側から西側にかけての山地がある。筑紫平野の北縁の一部に活断層が分布するほかは活断層はほとんど知られていない(図9−24)。

 歴史の資料によると、大きな被害を及ぼした地震はあまり知られていないが、県内で発生した被害地震としては、1703年の小城付近の地震(M不明)があり、古湯温泉の城山が崩れ温泉が埋まった。さらに、1831年の佐賀市付近の地震(M6.1)では、佐賀城の石垣が崩れ、潰れた住家もあったが、詳細は分かっていない。また、県内の活断層に対応する規模の大きな地震は知られていない。

また、679年の筑紫国の地震(M6.5〜7.5)の際には、詳細は不明であるが相当大きな被害が生じたと考えられている。また、1700年の壱岐・対馬の地震(M7)では、佐賀で瓦が落ちるなどの被害が生じた。このように、周辺地域で発生した浅い地震で被害を受けることもある。また、1792年の島原半島眉山(当時前山)の崩壊により発生した津波で、家屋や船舶の流出などの被害が生じた。

 なお、佐賀県とその周辺における小さな地震まで含めた最近の浅い地震活動を図9−25に示す。

表9−2 佐賀県に被害を及ぼした主な地震