この地震は記録上において九州で最大規模の陸域の浅い地震(M7.1)である。しかし地震の大きさの割には被害の範囲は狭く(図9−18)、ほぼ現在の鹿児島市に集中しているが、国分市および喜入町でも数棟の住家全壊が報告されている。鹿児島市とその周辺では、家屋の全半壊などの被害が生じ、また石塀多数が崩壊した(図9−19)。家屋や石塀の倒壊により19名が圧死し、また避難中の10名が天神ヶ瀬戸の崖崩れにより死亡した{31}。鉄道被害も落石やレールの屈曲折損など多数に上った。