(3)八重山地震津波(1771年4月24日(明和8年3月10日)、M7.4)
石垣島付近の南方で発生したと考えられる地震である。地震動は小さく、石垣島では震度4程度と推定される。この地震では、高さ最大30m弱と推定される大きな津波が八重山列島および宮古列島を襲い{19}壊滅的な被害が生じた。津波による被害が大きかったために、八重山地震津波と呼ばれている。津波は異常な引き潮で始まったと言われる。この津波を起こした地震は、南西諸島海溝付近での大規模な海底地すべり、あるいは津波地震であったとする説{20}が出されている。被害の状況は文献により違いがあるが、八重山列島では9,400名余、宮古列島では2,463名が溺死した。家屋の流失などにより全壊した家屋は、八重山列島で約2,200棟、宮古列島では少なくとも800棟に上り、石垣島では完全に消滅した村もあった{21}。しかし八重山列島と宮古列島以外に被害報告は無く、きわめて指向性の強い津波であった。