(7)松代群発地震

松代群発地震は1965年(昭和40年)8月3日から始まった。1966年に2回の活動期があり、その後は徐々に鎮静化し(図6−40)、1970年末には殆ど終息した。1970年までの有感地震は62,821回、全地震数は711,341回であった{42}。規模が最も大きかった地震はM5.4であったが、群発地震の全エネルギーはM6.4の地震1つに相当する{43}。この群発地震による被害は負傷者15名、住家全壊10{44}、多数の家屋の一部破損などであり、そのうち、家屋の傾斜、土台の損壊、壁や瓦の破損等が多かった。また、住民に不安が広がるなどの影響もあった。

 群発地震活動は、次の4期に分けることが出来る(図6−41)。

 第1期:1966年2月まで

    地震活動は皆神山を中心とする半径5kmの範囲内にあった時期

 第2期:1966年7月まで

    活動域が北東−南西方向に広がり、地震活動、地殻変動が最も活発な時期

    湧水、地割れなどの地表現象が出始める。

 第3期:1966年12月まで

    活動域はさらに広がる一方で皆神山周辺の活動は減少した時期

    地割れの発達に伴う湧水により、牧内地区に地滑りが生じ、家屋などに被害が生じた(図6−42)。

 第4期:1967年5月まで

    活動域がさらに北東−南西方向に伸びるとともに活動が周辺部に移り、中央部の活動が減少した時期 

    1967年6月以降、活動が急速に衰えた。