(7)(明治)東京地震(1894年6月20日、M7.0)

(明治)東京地震と呼ばれるこの地震は、東京都東部の深いところで発生した、沈み込んだ太平洋プレート内の地震と考えられている。{27}東京湾沿岸を中心に強い地震動が生じ、東京都東部、神奈川県東部、埼玉県南東部などでは震度5相当、一部では震度6相当の揺れであった(図5−32)。東京・横浜などの東京湾沿岸で被害が大きく、全体として、死者31名などの被害{28}が生じた(図5−33)。また、各地で土地の亀裂や地盤の液状化などが生じた。

 なお、この時代の観測精度はまだ悪く、本震発生から1年以内にこの付近で観測された地震のうち、(明治)東京地震の余震と考えられる地震は、本震の3ヶ月半後に発生したM6.7の地震だけである。