(6)千葉県東方沖地震(1987年12月17日、M6.7)

千葉県東方沖地震と呼ばれるこの地震は、房総半島九十九里浜付近のやや深いところ(深さ約50km)で発生した、沈み込んだフィリピン海プレート内の地震である。この地震では、フィリピン海プレートをほぼ垂直に切るような面で断層運動が生じた。千葉市、銚子市、勝浦市では震度5が観測され、千葉県を中心に死者2名などの被害{26}が生じた(図5−27)。なお、この地震に伴う津波は観測されていない。

 千葉県東方沖地震は、首都圏が比較的広範囲に被災した地震としては1923年の関東地震以来であったことから、社会的な注目を集めた。木造家屋の屋根瓦の崩落、急傾斜地の崩壊、ブロック塀の倒壊などが顕著であり、また、東京湾沿岸、九十九里平野、利根川流域沿いなどの比較的やわらかい地盤に液状化の被害が多く見られた(図5−28図5−29図5−30)。

 また、この地震の最大余震は、本震の約1ヶ月後に発生したM5.2であった(図5−31)。