(4)(安政)江戸地震(1855年11月11日(安政2年10月2日)、M6.9)
(安政)江戸地震は、荒川河口付近の浅いところまたはやや深いところで発生したと考えられている。{23}関東地方の広い範囲で強い地震動が生じ、特に東京都東部、千葉県北西部、埼玉県東部などでは震度6相当の揺れであったと推定されている(図5−20、図5−21)。また、この地震によって、各所で火災が生じた。さらに、ところどころで地盤の液状化が生じたことが知られている。全体として、死者7,000名以上などの被害{24}が生じた。なお、この地震による津波の報告はないが、余震は数多く発生したと考えられている(図5−22)。また、歴史の資料には、この地震の発生前に地下水の湧出や地鳴りなどの現象があったという記録がある。