(3)その他の被害

陸域の浅い大地震の場合、断層のずれが地表に及ぶことによって、道路や建物が直接的に破壊される場合がある。兵庫県南部地震では、淡路島の野島断層でずれが生じて、建物や道路等への被害が生じた。地表におけるずれの現れ方は、地盤の状況(特に軟弱層の厚さ)などによって異なり、それとともに被害の様相は異なる。 

 地震に伴う広域的な地殻変動(隆起や沈降)による被害もある。例えば、1854年の安政南海地震(M8.4)や1946年の南海地震(M8.0)に伴って高知市付近の地盤が1m程度沈降{25}し、それによって海水が浸入して、田畑の浸水などの被害が生じた。また、逆に、地震に伴う土地の隆起によって、港が浅くなり、港の機能に障害が生じることもある。