押切面では表土直下の砂礫層に挟在する腐植質シルトの補正14C年代が990±90y.B.P.であることから、段丘化の年代は1000年前頃と推定される。太田ほか(1982)は押切面を構成する砂礫層を覆う土壌の14C 年代と出土した土器の年代から、段丘化の年代を約1200〜1000年前としており、本調査結果と調和的である。
各段丘面の段丘化の年代に関しては、既往調査によって推定された形成年代をさらに限定することができたが、各段丘とも数が限られたデータなので、確実な段丘化の年代を明らかにするためには、今後の十分なデータの集積が必要である。