高田地点では、上記の崖地形の成因を検討するため、トレンチおよびボーリング調査を行った。
高田地点周辺ではHk−TPfl段丘面、A1段丘面、鴨宮面が分布する。
Hk−TPfl段丘面は、箱根東京軽石流堆積物とそれを覆う10数mの火山灰層から構成されており、年代は約5〜6万年前(町田・新井,1992)と考えられる。
A1段丘面は下位の鴨宮面より数m高い段丘面で沖積段丘と考えられる。太田ほか(1982)では後述の鴨宮面と一括して御殿場泥流の再堆積面としている。
鴨宮面は山崎(1985)によって命名され、御殿場泥流と呼ばれる層厚2m以上の火山性の砂からなる完新世段丘面で、年代は約2500年前と考えられる。
調査地点はHk−TPfl段丘面である千代台地西縁に位置し、その前縁(平野側)の鴨宮面と沖積低地とを境する比高2〜3mの低崖が連続する部分にあたる。
調査位置図を図5−1、図5−2に示す。トレンチ規模は長さ20m、深さ3mである。ボーリングはTd−1〜Td3の計3孔を掘削した。