断層SはF層〜C層を切る。C層とその上位にあるC−D層との関係は、両層から得られた14C年代が上下逆転していること、C−D層に巻き込み構造がみられることから、C−D層がC層に衝上していると判断される。つまり、C−D層は断層の最新活動の直前に断層崖基部にアバットしていたC層およびD層が、断層運動によって南側(低下側)へ移動した際に、混ざり合って形成された地層と考えられる。断層SはB層に覆われる。
断層S’は、層厚10cm〜20cmの礫混じり腐植質シルトを挟んで断層Sの上位にほぼ平行して位置し、F層で断層Sに収斂する。断層S’と断層Sに挟まれた礫混じり腐植質シルト内では、断層は2条〜3条に分岐し、上位に向かって収斂する。
断層Nの隆起側(北側)では、H2相、H1相、G層、F層が10°〜15°南傾斜で断層Nに向かって傾いている。