4−2 トレンチでみられた地層の層序と年代

曽我原トレンチの壁面では、剣沢川によって形成された扇状地の構成層である砂礫層および断層低下側を埋積する腐植質シルト層が観察された。トレンチで確認された地層を層相、構造、色調などに基づいて、上位よりA層〜H層に区分した。ただし、B層とH層に関しては層相を考慮し、B1相とB2相、H1相とH2相にそれぞれ細分した。トレンチでみられた地層の層序と年代を図4−3に示す。

各層記載中のE1、W1などはトレンチ壁面におけるグリッド番号を示し、Eは東側壁面、Wは西側壁面を指す。トレンチ中央部では、北傾斜の2条の断層が確認され、北側の断層を断層N、南側の断層を断層Sとする。トレンチ壁面写真を図4−4に、トレンチ壁面スケッチ解釈図を図4−5に示す。

年代決定に有用な腐植物や炭化木片などが産出した場合には、放射性炭素年代(以下、14C年代)を測定した。その結果は13Cにより補正した年代をy.B.P.で示し、その暦年較正年代(2σ)もあわせて示した。本文中では補正14C年代、暦年較正年代(2σ)の順に示す。14C年代試料採取位置図を図4−6に、各層準から得られた14C年代を表4−1に示す。

各地層において産出した考古遺物に関しては、その時代、種類を示した。遺物の鑑定は小田原市教育委員会によるものである。考古遺物の出土位置を図4−7−1図4−7−2に、考古遺物の写真を図4−8−1図4−8−2図4−8−3図4−8−4図4−8−5に示す。