4−2−9 H層

H層は断層Sより隆起側に認められ、断層N付近で30°西傾斜、断層から隆起側(北側)へ約2m離れるとほぼ水平である。H層は砂礫を主体とする分級の良い堆積物で、礫優勢のH1相と砂優勢のH2相で構成されている。H1相は比較的分級の良い砂礫層で、亜円礫を主体とする。マトリクスは細砂で、一部にラミナが認められる。H2相は分級の良い砂層と礫層の互層、あるいは一部で礫層がレンズ状に挟在している。砂層は細砂からなり、ラミナが明瞭に認められる。

トレンチの北(隆起側)約5mに位置するピットでは、下部に分級の良い砂礫(H1相)が確認された(図4−2図4−9)。H1相はG層と似た層厚20cm〜40cmの暗褐色火山灰土に覆われ、トレンチで確認されたA層〜F層はみられない。

H2相の14C年代は2550±40y.B.P.(BC800−750、BC700−540)である。