4−2−7 F層

F層は褐色〜黄褐色を呈するシルト質砂礫〜砂質シルトからなり、一部で腐植質シルト(有機物の含有量は少ない)を伴う。東側壁面の断層Nと断層Sに挟まれるF層の層厚は断層N側で厚く、断層S側で薄くE層によって削りこまれているように見える。また、東側および西側壁面では、断層Nと断層Sに挟まれた部分の層厚(30cm〜50cm)は断層Sの低下側でみられる層厚(20cm〜30cm)より厚い。東側壁面において断層Nの隆起側でもF層がみられるが、トレンチより北(隆起側)約4mに位置するピット(耕作の際に掘られた穴)では、F層は認められない。一方、トレンチより南(低下側)約2.5mで掘削したボ−リングSg−1では、F層の層厚は約10cmであり、トレンチで確認されたものに比べてさらに薄い。

東側壁面の断層Nと断層Sに挟まれた部分の上部では、褐色〜赤褐色を呈する直径5mm程度の多孔質なスコリアが散在している。このスコリアは岩相から湯船第2スコリア(約2200年前)に同定される。