2−3−2 深部の地下構造と特定地域の地震被害

瀬尾(1981)、山中ほか(1988)は、人工地震探査の研究で、横浜市南部の地下深部5〜7kmには、段差数キロ程度の弾性波速度4.8km/sec層と5.5km/sec層の段差構造があると指摘している。また、既往重力探査および横浜市で行った詳細な重力探査結果では、立川断層から延長する市域の北西部の地下に北北西−南南東方向に延びる帯状の重力異常が認められる。

阪神淡路大震災では神戸市内に活断層は現れなかったが、地下地質構造の境付近に神戸市内に震災の帯が生じ、多くの犠牲者を出した。

横浜市内では、1982年の伊豆半島近海地震で市内港南区にのみ被害が集中した事例が報告されている。