既往調査結果では20,000y B.P.〜15,000y B.P.に活動があったとされている。図5−4−1に既往トレンチスケッチ図を示す。既往調査の解釈では、図に示す「N面において3層と4層は断層によって切られているが、1層は断層を覆って堆積している。また、2層は断層に挟まれたくさび形の部分に堆積しているが変位を受けた様子は見られない。」とし、菊川断層のイベントは3層・4層堆積後、1層・2層堆積前としている。しかし、スケッチ結果から、既往トレンチでのイベントは、2層・3層・4層堆積後、1層堆積前と見えなくもない。すなわち、イベントにより3層・4層間に2層が落ち込み、その後、2層は落ち込んだ部分以外は侵食され平坦になり、1層が堆積したと考えられる。その場合、イベントは2層堆積後となり、既往トレンチでは15,000y B.P.以降に活動があったものと解釈される。
上記解釈に従った場合、菊川断層の総合評価は以下の様になる。