5−4−1 最終活動時期及び再来間隔

イベントについて図5−4−2に示す。中央部では、既往調査では15,000y B.P.以降に、上岡枝下流地区では、12,080±50yB.P.から7,000yB.P.までの地層が断層変位を受けており、2,080±50yB.P.は受けていない。また、29,450±190yB.P.〜12,080±50yB.P.間にもイベントがあったものと考えられる。

以上から、中央部では約29,000〜12,000yB.P.間に少なくとも1回、7,000〜2,080yB.P.に1回の計2回以上の断層活動が推定される。

南部の下保木地区では、25,510±130〜25,070±160yB.P.の間に断層活動があり、それ以降は活動が認められない。

中央部から南部にかけては、最も古いイベント(T)は南部セグメント及び中央部セグメントに残っている。最終活動と考えられるイベント(U)については中央部で確認されたのみで南部では確認されていない。これは下保木地区トレンチが菊川断層南部の末端部であるため活動性が低いためと考えられる。

以上から最終活動時期及び再来間隔は以下のように推定される。

・イベントTは、下保木地区トレンチ、上岡枝下流地区トレンチから約25,000yB.P.と推定される。

・イベントUは、既往トレンチ調査(堤ほか1991)結果では、15,000yB.P.以降に最新の断層活動があると解釈される。上岡枝下流地区では、7,000〜2,080yB.P.に最終の断層活動が推定される。

図5−4−3に各イベント間のイベント発生間隔を示す。

再来間隔は図5−4−3から、イベントTとイベントUの間が、最短で約18,000年、最長で約23,000年となる。

このことから、再来間隔は、18,000年〜23,000年と推定される。

再来間隔(18,000年〜23,000年)、最終活動時期(7,000〜2,080yB.P)から将来の地震のイベント時期は以下のように推定される。

表5−4−1 将来の地震イベント時期