5−6−3 マイクログラビティ探査

図5−6−3にマイクログラビティ探査範囲の位置図を示した。図5−6−4図5−6−5および図5−6−6に重力探査の解析過程における結果図を示した。

図5−6−3は解析範囲の地形および測定点を示す。既存資料および地形・地質解析から推定される断層位置の南端部に位置し、当地区から南側での断層の連続性が不明瞭になっている地区である。この地区では他の物理探査(比抵抗映像法、浅層反射法探査)も実施している地点である。探査の範囲は他の探査測線を取り囲むように設定し、他の物理探査結果と比較検討が可能なように設定した。測点の間隔は約12m〜30mとした。 

図5−6−5の長波長成分重力分布(深度数十m以深の基盤構造の重力分布を反映している。)を見ると、調査範囲のほぼ中央部に低重力の範囲がほぼ北北西方向に帯状に見られる。

周辺の地質状況および後述するボーリング調査結果から判断すると、西側の低重力と高重力の差は、基盤の地質の違いと考えられる。すなわち、高重力部は、豊浦層群の砂岩・頁岩、低重力部は花崗岩と考えられる。一方、西側での重力差は基盤である花崗岩分布の深度差に起因するものと思われる。すなわち表層の堆積物の層厚が、東側(山側)で薄くなっていることが要因と考えられる。図5−6−7に模式図を示した。

図5−6−7 重力探査結果から推定される下保木地区の基盤構造