5−5−5 断層の位置と変位様式

図5−5−8に地質断面図を示す。図に示すように、電気探査による低比抵抗部が幅70〜80mにわたり、大規模な破砕帯と考えられる。この破砕帯は、リニアメント位置と一致しており、菊川断層の破砕帯と推定される。しかし、比抵抗分布を詳細に見ると、所々に高比抵抗部を含み、破砕帯が一様でないことを示すと思われる。BOR3−2では、石英斑岩と頁岩の破砕帯を確認した。ボ−リングコアで石英斑岩と頁岩は傾斜80゜程度で接しており、周辺の地質境界断層の傾斜方向が菊川断層全体の傾斜方向を示すとは限らないと思われる。

基盤の破砕帯の上位には段丘堆積物及び扇状地堆積物が分布する。いずれも砂礫を主体としており、ボ−リングではそれらの未固結堆積物に変位があるかどうかは不明である。