(3)反射法地震探査(浅層反射法探査)

反射法地震探査(以下、浅層反射法探査と呼ぶ)は地表で人工的に地震波(弾性波)を発生させ、地下の地層境界で反射して地表に戻ってくる反射波を測定・解析することにより、地下の地質構造を探査する物理探査方法である。地表からの探査により、地下の地質構造を視覚的なイメージとして表現することが可能である。今回の探査では、測線下の深度数m〜数十m程度までの地質構造イメージを詳細に得ることを目的とした高分解能探査を行うために、高い周波数の弾性波を発生させることができるポータブルバイブレータ震源(波種はP波)を使用した。

浅層反射法探査は物理探査手法の中では良く断層調査に用いられている探査手法である。探査は菊川断層の北端部である本郷地区で1測線200m、下保木地区で1測線400mとた。

@本郷地区

菊川断層の北端部に位置する。既存の海域調査によって、海域での断層が報告されている。しかしながら陸域は断層のリニアメントは不明瞭となっている。このため、断層の位置を推定し、北部の断層活動性を評価し、陸域から海域への延長を確認することを主目的として当地区を探査の候補地点として選定した。当地区は海岸に隣接しているため、堆積物が分布し、その堆積物の変位が把握できる可能性があること、電気探査では比抵抗値に十分なコントラストが現れない可能性があることから、浅層反射法を選択した。また、探査・解析深度は0〜50m程度の反射面を捉えることを目的とし、受振点・起振点間隔は1.0m、最大受振点距離は36mとした。探査・解析深度は地表(深度0m)〜深度50.0m程度とした。

A下保木地区

探査深度は現地標高と地質踏査で確認された基盤標高との標高差を考慮して0〜50m程度に設定した。結果、受振点・起振点間隔は1.0m、最大受振点距離は36mとして実施した。探査・解析深度は地表(深度0m)〜深度50.0m程度とした。