砂岩中では、N42°W、80°Nの走向・傾斜を示すが、砂岩と第三系の礫層の境界部では、N60〜75°W、60〜50°Nとなり、さらに第三系の礫層とその上位の砂層の境界部ではN65°W、25°Nと傾斜が緩やかになる。
断層面に沿って第三系に属す礫層の礫が再配列していることから、この断層は第三系が堆積したあとで、あまり固結が進まなかった比較的早い時期に形成されたものと推定される。
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