(1)断層変位地形

断層変位地形は豊浦町・菊川町境界の貴飯峠より北側(北部)、貴飯峠から岡枝扇状地扇頂部の上岡枝萩ヶ台(中央部)およびこれらより南東の地区(南部)でその性状が異なっている。

@調査地中央部の貴飯峠より北部の豊浦町側は、断層変位地形は不明瞭である。断層変位地形としては、山麓部に不明瞭ながら三角末端面が配列しているほか、一部に左ずれを示す沢・尾根の屈曲が認められる。

また、断層北方の山地に比較的大規模な地滑り地形が認められる。

A貴飯峠から菊川町上岡枝萩ヶ台にかけては、累積性のある左横ずれを示す沢・尾根の屈曲が明瞭であり(図3−1−4)、さい頭谷が認められる。

B萩ヶ台から南端の菊川町下保木にかけては、三角末端面の連続と左ずれを示す沢の屈曲が認められる。

C下保木地区では山裾のリニアメントと斜行する位置で、扇状地面上に現河川の流路と斜行する直線的な低崖が判読できる。

D新湯の原ダム下流には西に向かい緩く傾斜している地形面があり、段丘面が撓曲しているとも考えられる。