3−1−2 段丘面区分

調査地域及びその周辺における段丘に関する主な研究としては、河野・小野(1969),小野・河野(1964),高橋・河野(1958),河野ほか(1964),日本第四紀学会(1987)などがある。しかしながら、それらはいずれも海成段丘の対比が中心である。当地域の河成段丘の対比は、段丘面が断片的に分布すること、段丘堆積物やそれを被う指標テフラが欠如することといった条件のため困難とされ、これまでの研究ではほとんど触れられていない。 

そこで、本調査では、空中写真判読と地形図読図により区分した段丘面を、現河床からの比高と、露頭での段丘堆積物の観察結果により、対比した。なお、露頭番号を付図2図3−1−2.ストリップマップに示し、その柱状図を図3−1−3に示す。

河成段丘はその比高により、上段段丘(河床比高25〜40m)、中段段丘(河床比高15〜25m)および下段段丘(河床比高5〜15m)に区分した。また木屋川河口の海成段丘は河成段丘と区別して示した。さらに、扇状地・沖積面も抽出した。

以下に各段丘の特徴を示す。