6−5 調査地域における活断層のセグメント区分について

図6−5−1に本調査地域における活断層のセグメント区分についてまとめた。セグメントは北から順にA〜Eの5つに区分され、表6−1−3に示した5つの区分と一致する。

セグメントAは五百川峡谷部に相当し、変位センスが場所により異なることから他のセグメントとは明らかに性状が異なる。また、地表での変位形態は基盤岩の褶曲構造の影響を受けている可能性がある。セグメントAの北方延長には山形盆地断層帯が分布するが、隣接する大江町富沢付近の撓曲と、寒河江市東方の山沿いに分布する撓曲の変位センスが異なるため、両者は連続せず別のセグメントであると判断される。

セグメントBは長井盆地西縁の断層帯に相当し、調査地域で最も明瞭な変位地形が認められた区間である。西側隆起の逆断層センスを示す。断層は全体としては、湾曲する。北部では雁行し、南部ではほぼ1列となる。セグメント南端の飯豊町椿・寺の下付近では、断層が分岐したり変位地形が不明瞭となる。南に隣接するセグメントCとは、雁行配列する。

セグメントCは玉庭丘陵から米沢盆地の区間に相当し、全体としては直線状を呈する。ただし、個々の断層変位地形の長さは短い。西側隆起の逆断層センスを示す。南方は地すべりにより変位地形が不明瞭となる。

セグメントDおよびセグメントEは、セグメントC背後の山地内に認められる。延長は4km程度と短く、方向もセグメントCとは斜交するため、セグメントCの副次的な断層と推定される。