(2)平均変位速度

本地域の平均変位速度について、各区間ごとに述べる。

<川西町箕の輪〜米沢市笹野の区間>

平成12年度調査では、遠山地区のボーリング調査と年代測定により、約24,000年前のL2面堆積物に7mの垂直変位が認められた。また、川西町下小松では、L2面に段差4mの撓曲崖が認められた。以上より、L2面の形成時期を約24,000年前として平均変位速度0.17〜0.29m/1,000yが得られた。

一方、平成13年度調査では、米沢市舘山地区で実施したボーリング調査により撓曲構造が確認された(図6−4−1参照)。撓曲によるTa2層上面の高度差は2.1mである。5.4章で記載したようにTa2層は扇状地性の砂礫層からなり、変位基準面となり得る腐植層や火山灰鍵層は認められなかった。Ta2層中の腐植質粘土ブロックより、約33,000年前の年代値が得られたが、これは古い時代の礫を運搬中に取り込んだものであり、実際の堆積年代ではない。従って、本地区の平均変位速度を検討できる年代測定データは得られなかった。

<川西町上奥田〜大船上の区間>

変位した地形面の年代データがないことから、平均変位速度は不明である。

<川西町逆川〜米沢市大代原の区間>

変位した地形面の年代データがないことから、平均変位速度は不明である。