6−2−1 活断層の位置・連続性

北部地域では、中位段丘面および低位段丘面群に顕著な断層変位地形が認められる。しかし、段丘面の分布が小規模かつ断片的で地すべりや崩壊が多発する地域でもあることから、変位地形の連続性は不明となることが多い。

最も明瞭な断層崖が認められる朝日町赤釜・松程地区では、地塁・地溝状の地形が繰り返すが、全体としてNNE−SSW方向で東上がりのセンスを示すものと考えられる。その南方の沼ノ平付近でも同様の方向、センスの断層変位地形が確認されるが、さらに南方では不明となる。一方で北方の朝日町玉ノ井付近までは、東上がりの撓曲崖、断層崖が断続的に認められる。さらにその北方の朝日町粧坂では、東上がりのセンスをもつ変位地形がNNW−SSEへ方向を変え、NNE−SSW方向のリニアメントは、西上がりのセンスを示すようになる。いずれの地区でも、横ずれ変位を積極的に支持するような変位地形は確認できなかった。

本地域の断層の延長は、大江町富沢〜朝日町沼の平にかけての約14kmの延長になる。調査地域最北部の大江町富沢付近の撓曲と、寒河江市東方の山沿いに分布する撓曲については、変位センスが異なるため、連続しないものと考えられる。