調査位置としては、トレンチ1を舘山地区の一の坂と呼ばれる撓曲によって形成された坂の基部(撓曲帯の前面)に選定した。また、トレンチ2は撓曲帯の内部において実施した。
トレンチ1は、低位段丘L3面上に形成された撓曲崖の前面に位置し、浅層反射法探査によって地表付近まで反射面の不連続が認められた地点である。また、ボーリング調査により、本地区の層序が扇状地性砂礫層と、その上位の粘性土〜砂層からなることが明らかとなり、これらの地層の変形状況、年代測定による活動時期の決定を目的としてトレンチを掘削した。
トレンチ2は、撓曲帯の内部にあたり、浅層反射法探査においても地層の変形が示唆された。そこで、表層付近の堆積物の変形状況、活動時期の決定とトレンチ1との層相対比による地層の垂直変位量の把握を目的として実施した。