(2)地質

<中新統>

鬼面川、大樽川流域に分布し、岩相は、暗褐色硬質シルト岩を主体とし、砂岩および細粒凝灰岩が挟在する。暗褐色硬質シルト岩は、厚さ10〜15cm単位の中層理の顕著な岩相を示し、局部的にノジュールが認められる。細粒凝灰岩は、暗灰〜青灰色を呈し塊状で、変質の著しい細粒凝灰岩が認められる。米沢市潜清水付近の鬼面川流域では、流紋岩質〜デイサイト質火山礫凝灰岩が分布する。石英粒と黒雲母片を多量に含み、局部的に弱溶結する部分がある。

<更新統>

丘陵および山地部の頂部や鬼面川流域に分布し、層相は、砂礫からなる。大部分は赤色土化し、礫は粘土化している。礫は、花崗岩、流紋岩、安山岩、凝灰岩およびシルト岩の亜円〜亜角礫(最頻径2〜3cm、最大径15cm)を主体とし、基質は火山灰質中粒砂〜シルトからなる。

<段丘堆積物および崖錐堆積物>

L2面段丘堆積物は、地層の露出がないため、層相は不明である。

L3面段丘堆積物は、米沢市吹屋敷町付近では礫径10cm程度の円礫を含む砂礫からなる。

L4面段丘堆積物は、鬼面川流域では、砂礫が分布し、花崗岩、流紋岩、安山岩、凝灰岩およびシルト岩の亜円礫(最頻径3〜5cm、最大径30cm)を主体とする。基質は、褐〜赤褐色を呈し、粗粒砂〜中粒砂からなる。

崖錐堆積物は、調査地南部に広く分布する。粘土質基質で、基盤の中新統の角礫を多く含む。