@ 地表踏査(精査)
A 浅層反射法探査(P波、S波)
B ボーリング掘削、試料採取
C トレンチ掘削
D 観察・記載
E 年代測定
F 解析
図5−4−1に舘山地区の詳細調査位置図と調査の流れ図を示す。
本地区では、まず初めに、平成12年度調査の空中写真判読や地表踏査(概査)により低位段丘L3〜L4面に変位地形が確認された箇所において、地表踏査(精査)を実施した。踏査では、断層による変位地形の詳細な位置の把握と段丘堆積物や基盤地質の分布や層相記載等を行った。
次に、浅層反射法探査により、地下の地質構造の把握と断層による地層の変位形態の把握を行った。特に本年度はP波とS波の探査を実施した。P波による探査では、探査深度数100mを目的とし、基盤まで含めた深部の地質構造の把握を行った。S波による探査では、浅部の地質構造の把握とトレンチ掘削地点の選定を目的として実施した。
本地区では、平成12年度に近接する遠山地区において断層による変位を確認したが、L3〜L4面堆積物の年代データは不足しており、地形面の形成年代も明らかになっていない。従って、年代測定試料の採取を目的としたボーリング調査を実施した。出来るだけ多くの試料を採取する目的から、ボーリング方法は簡易打撃式による短尺ボーリングとした。短尺ボーリングの位置は、低位段丘L3〜L4面にかけての断層変位地形の近傍で実施した。また、トレンチ実施地点周辺の地層の連続の確認と地質構造の把握を目的として、短〜長尺のオールコアボーリングを実施した。
上述の調査により、本地区の地質状況、断層による変位形態が明らかなった後、新期の堆積物に変位を与え、かつ用地的に問題の生じない箇所においてトレンチ掘削を実施した。
トレンチは変位地形の下盤側をトレンチ1、上盤側をトレンチ2とした。
以上の調査結果並びに年代測定結果をもとに断層の活動性について評価を行った。