5−1−1 調査仕様及び数量決定の経緯

長井寺泉地区では、以下の順序で調査を行った。

 

@ 地表踏査(精査)

A ボーリング掘削、試料採取

B 観察・記載

C 年代測定

D 解析

図5−1−1に寺泉地区の詳細調査位置図と調査の流れ図を示す。

本地区では、平成12年度調査により沖積面に変位地形が確認された箇所において、まず地表踏査(精査)を実施した。地表踏査により断層変位地形と段丘堆積物や基盤地質の分布を把握した。その後、群列ボーリング調査を変位地形の方向に直交するWNW−ESE方向で実施した。

ボーリングに際しては、初めに簡易打撃式による短尺ボーリングを実施し、表層深度2〜3mの堆積物を採取した。短尺ボーリングは、寺泉No.1、No.2a、No.2b、No.3a、No.3b、No.4a、No.4bの計7地点で実施した。短尺ボーリングにより、本地区を構成する地層が、粘性土・砂・砂礫の互層からなり、年代測定試料となる炭質物も頻繁に混入することが明らかになった。層相対比及び年代値により、断層による変位量を求めた。

さらに深い深度での地質構造を把握し、変位形態や変位量を詳細に明らかにするため、深度7〜10mのやや長尺のオールコアボーリングを実施した。長尺ボーリングは、寺泉No.5、No.6、No.7、No.8、No.9、No.10の計6地点であり、短尺ボーリング実施地点の間で実施した。