トレンチの規模及び数量は表1−1に示した通りである。トレンチ掘削の法面勾配は60°を基本としたが、地質状況を見て安全と判断される勾配とした。掘削後は直ちに法面整形及びグリッドの設置を行った。法面について、地層の堆積構造・連続性・炭質物の有無・断層運動による地層の変形構造等について詳細な観察を行い、スケッチ図(20分の1)及びその解釈図(20分の1、50分の1)を作成した。
トレンチ調査の手順は以下の通りである。
1)測 量:調査用地周辺の測量を行い平面図を作成した。
2)調査用地の設定:調査用地の境界を定め、杭打ち・ロープ張り等を行う。また、看板等を設置し、安全対策とした。
3)遺跡確認調査:米沢市舘山地区は遺跡指定地が分布している。掘削地点は指定範囲からは外れているが、確認の意味でトレンチ掘削に先立ち重機にて表土をはぎ取り、遺跡の有無を調査した。
4)トレンチ掘削:表層部分に遺跡等の埋蔵文化財が存在しないことを確認した後、重機にて所定の大きさのトレンチを掘削した。トレンチ内より湧水が発生した場合には、水中ポンプを用いて排水した。
5)法面整形:法面を人力にて堆積構造や変形構造がみえるように整形した。整形にはネジリ鎌や鋤簾、ハケなどを使用した。その後、水糸を用いて1m四方のグリッドを法面全体にはり、観察の際の基準線とした。
6)観察・採取:法面に現れた地層の堆積構造・連続性・炭質物の有無・断層運動による地層の変形構造等について詳細な観察を行い、スケッチ図(20分の1)及びその解釈図(20分の1、50分の1)を作成した。また、年代測定に有効な炭質物等の試料を採取した。また、法面の写真撮影を行った。
7)埋め戻し:観察と試料採取の終了後、掘削残土を転圧して十分に突き固めながら埋め戻しを行った。最後に表土層を埋め戻して原状に復旧した。
・トレンチ調査用地内仮設:資機材
バックホー:1台
掘削土運搬用トラック :2台
発 電 器:1台
安全用バリケード等:1式