2−3 ボーリング調査

地下の地質状況、想定される断層の正確な位置、地質の変形の幅と高低差を明らかにし、断層の平均変位量及び活動様式を明らかにすることで断層活動の評価を行うとともに、トレンチ調査実施の適性位置を正確に決定することを目的として、深度5〜20m程度のボーリング調査を実施した。

また、詳細調査対象となった全4地点について、変位した新期地形面の形成年代を明らかにし、断層の活動時期を明らかにするため、年代測定試料の採取を目的とした深度2m程度の短尺ボーリングを実施した。

調査の数量は表1−1に示した。深度5〜20m程度のボーリング調査においては、外径86mmで行い、オールコア採取とした。また、深度2m程度の短尺ボーリングにおいては、年代試料を得るため、できるだけ多くの地点で調査を実施する必要性が生じた。従って、比較的簡便に表層付近の堆積物を採取する方法として、「簡易打撃式ボーリング」を採用した。

採取されたコアは、堆積構造が良く観察できるまで整形し、20分の1の縮尺で柱状図を作成した。柱状図の作成に際しては、地層の堆積構造や堆積物の粒径変化、火山灰鍵層の有無、年代測定試料として有効な炭質物の有無などに着目し、詳細な観察を行った。コア観察によって作成した柱状図は、各地点の各ボーリング地点での層相対比のための基礎的な資料とした。

尚、柱状図は巻末資料に添付した。また、採取したコアはコア箱に収め写真撮影を行い、別途所定された場所に納品した。