長井市平山地区地形断面図(図6−5−4)
1)調査目的
長井盆地西縁断層帯のうち中央部の最新活動履歴および活動間隔を求めるため、低位段丘面(NL4−1面)において年代測定の試料採取を目的としたボーリングを実施する。
2)調査計画数量およびその根拠
・計画数量:
ボーリング調査2m×5地点、年代測定 5試料
・根 拠:
本地区では、八木(1999)において1.5mの断層崖が認められる地形面の構成層から3120±70年の年代値をしめす腐植土層が報告されている。平成12年度調査において扇状地性の地形面が、NL4−1、NL4−2、NL4−3面に細分されることが明らかとなった。これらの地形面の断層による変位は、NL4−1面で2〜3m、NL4−2面で1〜1.5mであり、NL4−3面では変位が認められなかった。このことからこの地域の地形面は複数回の断層活動を保存している可能性があり、それぞれの地形面の形成年代を特定することにより最終活動時期や活動間隔が推定できると考えた。そこで最終活動時期および活動間隔を明らかにするために、断層崖を挟んで計7地点でボーリング調査を実施した。その結果変位の認められないNL4−3面構成層中の木片から約1500年前という年代値が得られた。また八木(1999)が報告している3120±70年の年代値をもつ腐植土層は、NL4−2面にあたることから、最終活動時期を1500〜3100年前と推定した。しかしながら2回変位している可能性のあるNL4−1面の堆積物から年代測定用試料を採取できなかった。そこで今回NL4−1面においてコアの観察および年代測定により形成年代を明らかにする目的で、平成12年度に引き続きボーリング調査を計画する。
調査地は礫層が主体であり、年代決定に有効な試料はあまり含まれていないと考えられる。平成12年度調査の実績から、地形面の形成年代を考察するためには、浅いボーリングを数多く実施することが有効であると考えられる。以上より、深度2mのボーリングを5地点で実施する計画とする(平山No.8〜No.12)。ボーリング地点は、地盤を掘り返していない宅地の敷地内が適当であると考えられる。
長井市平山地区調査計画図(図6−5−3)
長井市平山地区地形断面図(図6−5−4)