しかし、段丘面の分布が小規模かつ断片的で地すべりや崩壊が多発する地域でもあることから、変位地形の連続性は不明となることが多い。
最も明瞭な断層崖が認められる朝日町赤釜・松程地区では、地塁・地溝状の地形が繰り返すが、全体として北北東−南南西方向で東上がりのセンスを示すものと考えられる。
その南方、沼ノ平付近でも同様の方向、センスの断層変位地形が確認されるが、さらに南方では不明となる。一方で北方の朝日町玉ノ井付近までは、東上がりの撓曲崖、断層崖が断続的に認められる。さらにその北方の朝日町粧坂では、東上がりのセンスをもつ変位地形が北北西−南南東へ方向を変え、北北東−南南西方向のリニアメントは、西上がりのセンスを示すようになる。いずれの地区でも、横ずれ変位を積極的に支持するような変位地形は確認できなかった。
地形面の形成年代についての情報が少ないため、活動単位(セグメント)の詳細は不明である。調査地域最北部の分岐しているように見える部分も含めると、約14kmの延長になる。ただし、調査地域最北部の西上がりの変位地形は、寒河江市東方の山沿い
に分布する活断層に連続する可能性も考えられる。