(2)変位量及び変位速度の検討

図4−3−3に各変位基準面の変位量を示した。平成10年度トレンチ調査で直接観察された断層のずれ量は数10cm程度であったが、これは撓曲変形の中の部分的なせん断変形である可能性があり、撓曲全体の単位変位量はさらに大きくなる可能性がある。トレンチ@地点の地質断面図においてodX層の下面には約10mの垂直変位が生じている。これが上述のように3回の断層運動の累積と仮定するならば、撓曲の平均的な単位変位量は約3.3mとなる。またodX層下面の年代は約10,000年〜13,000年前と考えられるから、平均変位速度は約1.0〜0.7m/1,000年と計算される。