(1)断層活動時期の検討

本地区においては、平成10年度のトレンチ調査によって最新活動時期が約4,400年〜3,890年の間となる可能性が高いことが示された。また、約9,000年前の断層活動の可能性が示唆された。今年度はこれらを確認するための補完調査(ボーリング及びピット調査)を実施した。その結果以下のことがわかった。

1)トレンチ@地点(図4−3−3

約9,000年前のodV層以下の地層が強く変形している。また、約13,000年〜17,000年前のodY層の層厚が上盤側で急激に薄くなり、約10,000年前のodX層に不整合に覆われることから、約13,000年〜10,000年前の断層活動が推定される。

2)トレンチB地点

群列ボーリングの結果、東に傾斜するodW層(約9,200〜9,500年前の腐植土層)に、ほぼ同じ年代を示すodV層がアバットする状況が確認され、約9,000年前に断層活動があったとする平成10年度のトレンチ調査結果を裏付ける結果を得た。

以上の調査結果から、本地区の断層活動は以下のようにまとめられる。

約4,000年前…確実なイベント(トレンチの断層から推定)

約9,000年前…ほぼ確実なイベント(トレンチ及びボーリング断面における不整合より推定)

約13,000年〜10,000年前…確実度の低いイベント(ボーリング断面における不整合より推定)