(2)変位量及び変位速度の検討
本地区では、扇状地性の礫層が厚く発達するため変位基準となる時間面を特定することが困難で、正確な変位量や変位速度を求めることは難しい。トレンチ及びボーリング調査により認められる約10,000年前の礫層上面の垂直変位量は約4mであり、平均変位速度は少なくとも0.4m/1,000年と推定されるが、地形測量によれば低位段丘U面(約15,000年)と沖積面との間に約10mの垂直変位が生じており、0.7m/1,000年以上の平均変位速度を持つ可能性もある。