(1)断層活動時期の検討

本地区の低断層崖は沖積面上に発達が認められることから、完新世以降の活動が疑われる。トレンチ調査では、約10,000年前の礫層に段差が生じているのが確認された。それが断層による変位であると断定するには至らなかったが、礫層上面の段差は地表部に直線的に発達する低断層崖と位置的に一致することから断層変位である可能性は高い。この場合、最新活動時期は約10,000年前以降となる。さらに、段差の下側に堆積した約2,500年前の粘土層には変形が見られないことから、約2,500年前以降は活動していないと推定される。