3−6−1 調査仕様及び数量決定の経緯

本地区の調査手順は以下の通りである。調査位置平面図を図3−6−1に示す。

@ボーリング調査

Aコア採取

Bピット掘削

C観察・スケッチ・記載

D年代測定

E解析

本地点では、平成10年度にボーリング調査とトレンチ調査が行われており以下のことがわかっていた。

1)最新活動時期は3,890±50y.B.P.と4,400±60y.B.P.の間(トレンチ@のB2層とB3層の間)

2)一つ前のイベントは9,210±50 y.B.P.と9,180±40 y.B.P.の間にある可能性あり(トレンチB−3地点においてC1層をB3層が傾斜不整合に覆っていた場合)

今回の調査の目的は、一つには9,000年前前後の断層活動時期を特定することである。その目的のためトレンチB−3)の平野側に短尺ボーリング(コア採取)を密に行い、C1層(9,210±40 y.B.P.)より上位の地層の変形状況を観察した。コア採取深度はC1層(腐植土)を確認するまでとした。また、1万年以降の断層活動の累積性を確認するためトレンチB−3)地点とその平野側でボーリングを行った。ボーリング掘削深度はトレンチB−3)との対比を行うことを目的としそれぞれ10mとした。さらにトレンチB−2)地点の平野側で1万年より若い地層(C2及びC3層)の変形状況を確認する目的でピットを掘削した。ピット深度は地層の傾きを確認する必要最小限の深度として1mとした。

またもう一つの調査目的として、1万年より前の断層活動を明らかにするため、トレンチ@地点付近において断層の上盤側で2本のボーリングを行い、昨年度実施された下盤側のボーリングとの対比を行った。ボーリング掘削深度は、大寺No.5については平成10年度の大寺No.1との層序対比を行うためNo.1と同じ20mとした。大寺No.6についてはNo.5とNo.1の対比を補完する目的で深度10mとした。