(10)横山No.10(掘削深度20m)

〈層相記載〉

本孔は、地表より深度0.22まで表土からなる。深度0.22〜1.67mは、盛土からなる。深度1.67〜4.96mは砂層・シルト層・腐植質粘土層が不規則に互層する。腐植質粘土層は、2〜7cm程度の薄層としてみられる。深度4.22〜4.26mは灰白色の火山灰がみられ、ラミナが発達する。

深度4.96〜5.36mは、腐植質粘土からなり、植物片を混入する。深度5.36〜7.52mは粘土・砂の互層を主体とし、材を少量混入する。腐植質粘土の薄層やレンズを少量混入する。深度7.52〜8.97mは、シルト混じり細砂〜細砂を主体とし、材を少量混入する。また、地層が5°傾斜する。深度8.97〜9.66mは腐植質シルトを主体とする。

深度9.66〜15.85mは、基質支持の砂礫(本流性堆積物)からなる。礫は、細礫を主体とするが、所々にφ10cmを越える大礫が混入する。礫種は、泥岩・凝灰岩・安山岩・珪質頁岩・砂岩・礫岩からなる。基質は粗砂からなる。深度15.85〜20.00mは、礫混じり粗砂と砂礫層が繰り返し、シルト質粘土を挟在む。礫は、細礫サイズの泥岩・安山岩・流紋岩・珪質頁岩を主体とする。

14C年代値〉

本孔の深度1.42〜1.56mの腐植質粘土より2,970±80y.B.P、深度2.50〜2.60mの腐植質粘土より4,740±60y.B.P、深度5.00〜5.15mの腐植質粘土より5,610±80y.B.P、の14C年代値が得られた。

(テフラ)

深度4.22〜4.26mに挟在されるテフラについて、テフラ組成分析と屈折率測定を試みた。火山ガラス(n)の屈折率は、1.512−1.515(mode: 1.513−1.514)である。火山ガラスの比率が非常に高いことから、一次堆積層の可能性が考えられる。

このテフラについては、含まれる火山ガラスの形態や屈折率などから、約5,000〜5,500年前に噴出した十和田中掫テフラに同定される可能性が考えられる。