表3−4−1調査数量及び探査諸元
以下に各探査仕様について決定した経緯を記す。
1) 展 開
本調査における展開方法は、現地の地形・地質状況・探査深度等を考慮し測線長も短い事から120chを固定し震源のみを移動して収録する方法を採用した。ただし、収録機の最大収録チャンネル数が60chであるため各点で1−60ch、61−120chと2回に分けて収録を実施した。受振器間隔は1m、震源の間隔を1mとし、最小オフセット距離は0mとした。
2) 受振器とケーブルの設置
受振器及びケーブルの設置は田畑のあぜの脇を利用し、歩行者の妨げにならないようにした。また、S波の調査は受振器を横にして設置するため、固定及び風等のノイズ抑制のために埋設可能な場所は埋設し、不可能な場所は受振器に砂袋をかぶせて設置した。
測定は昼間に実施したが、交通量等の生活ノイズは非常に弱かったため垂直重合は4回で実施した。風の強い時は適宜モニターで確認して垂直重合数を増やし雜震動に対応した。
3) 探査震源
震源は50kgfの小型スイープ震源を使用した。今回の探査深度は極浅層を目的としているため、より鮮明な反射信号を取得できる様に、周波数を可変制御できる震源を用いる事にした。
作業に当たって震源周辺において交通の妨げになる場合は作業者が直ちに震源を移動した。作業時間外は機材収容用2tトラックに保管した。
4) 収録装置
本調査では測線長が短く車両を常時停止できる場所がないため、測線脇に荷物運搬用の小型台車を用いて収録機を設置した。電源には3kwの小型発電機を使用した。作業時間外はワゴン車に収容し宿泊所にて保管した。
5) 現地テスト
反射法地震探査の測定に先だって、地下の地質構造を最もよく捉えられるよう、地質条件把握・測定条件決定のためのテストを実施した。テスト内容は、反射波の信号が最も得られ易い最適なスイープ周波数の検討と、他の雑振動ノイズを弱めるための垂直重合数の検討を行なうためのものである。
現地テストの結果、スイープ周波数を20−120Hzとした。またスイープ時間7秒、収録長8秒、垂直重合数を4回とした。