5−6−2 トレンチ調査

この地区でのトレンチ調査の最も重要な目的は断層の最終活動時期を特定すること、活動間隔をある程度特定し同時に単位変位量を検討することにある。山形盆地北部地域では、断層は複数のリニアメントとして雁行・並列しており、これらすべてに対してトレンチ調査を実施し、各断層の最終活動時期や活動間隔を明らかにする作業は非常に困難である。

しかし、この地区では大石田横山地区と同様に断層はほぼ1条に収斂しており、これらの活動履歴の代表値を求めるためにの条件は比較的良いと考えられる。また、この地区では寒河江川の形成する扇状地の後背地にあたり、特に完新世には大きな河川の流入がさほどなかったことが期待できる。

トレンチ調査は低断層崖と判断される段差を横断する地点と、この延長上で変位が見られない2地点で行うことにより、断層によって切られる地層と断層によって切られない地層を確実に見いだし、断層の最終活動時期をより詳細に特定することを計画した。