5−6−1 ボーリング調査

この地区では空中写真判読よって従来報告のない位置に低断層崖や撓曲崖が観察され、地質踏査では山地と平地の境界付近に逆断層の活動によって形成された可能性のある小断層などが確認された。断層の想定される位置は山際がほとんどであるが一部は沖積低地に変位をもたらしている。このような条件では断層の正確な位置をボーリング調査によって絞り込み最終的なトレンチ実施位置を選定すると同時に掘削すべき深度を明らかにする必要がある。

この地区の場合、候補地とした地点が沖積低地にあり、断層は山地と低地の境界からやや前縁部に出現する可能性がある。このため、断層の上盤・下盤とも沖積層などによって構成されていると考えられるため正確に断層位置を選定し、断層履歴の情報をより詳細に求めるためにはボーリング調査を実施し、ここで観察される地層の対比や年代測定による基準面の高度差を明らかにしてからトレンチ調査を実施すべきである。従って、この地区でのボーリング調査は山形盆地北部のものよりやや深い深度で実施する必要がある。