5−5−2 トレンチ調査

この地区でのトレンチ調査の最も重要な目的は断層の最終活動時期を特定することにある。山形盆地の北部では断層による地形変形が明瞭であり、断層の連続は比較的良く観察できる。しかし、この地域では、断層は複数のリニアメントとして雁行・並列しており一部では断層変位が更新世後期の活褶曲となっている部分もあるため、これらすべてに対してトレンチ調査を実施し、各断層の最終活動時期や活動間隔を明らかにする作業は非常に困難である。

大石田町横山地区はこれらの断層群の北端部に位置するため単位変位量の最大値を求める場合には適切ではないが、リニアメントの性状から断層が収斂した状態にあり、活動時期の特定にはより好条件と判断した。トレンチ実施箇所を2箇所としたのは、低断層崖の形成が1度の活動によって並列して発生したか、あるいは異なる活動によって形成されたかを確認するためのものである。