5−4−1 トレンチ調査

この地区は松山断層の南部延長とされる可能性があるが、従来の報告(「新編 日本の活断層」,1991)などでは確実度Vのリニアメントとされている。しかし、沖積低地でのボーリング資料などから、この地域の庄内層群の変位量が大きくこの付近にも更新世後期の断層活動がおこっていることが指摘されている。また、平成9年度調査によってこのリニアメントの東側には、段丘礫層を切る断層露頭が確認されている。

このため、平成10年度調査では断層の存在ならびに断層が地表に到達する位置を明らかにするためにボーリング調査を実施した。この結果ボーリング地点のNo.2孔とNo.3孔の間に堆積物の大きな差異が認められ、No.2孔には泥岩と砂礫層の繰り返しも確認された。トレンチ調査はこの調査結果をもとに最終的な実施位置を選定した。