5−3−1 ボーリング調査

松山町土渕地区では、平成10年度調査で浅層反射法探査を実施した。この結果松山断層は地表付近まで断層面が到達しており、澤、他(1997)によって行なわれたトレンチ調査によって明らかにした断層活動はこの断層の主な活動を代表している可能性は高い。しかし、澤、他(1996)や小松原(1997)によって松山断層西側の沖積低地が、変形を受け一部には段差が生じていた可能性が指摘されている付近に断層の分岐しているものが到達している可能性がある。

同時に第四紀の堆積物が厚いこの地域では断層活動が幅広い変形となって地表に現れる可能性もあり、幅の広い断層変形から活動履歴を求めるためには、断層による変形帯を横断する地質状況の確認を行い地層記載および年代測定から同時期に堆積した地層の高度差を求める必要がある。

また、反射法探査結果およびボーリング調査の結果から、断層面が地表付近で複数に分岐する可能性があった場合、澤、他(1997)に示された断層活動が松山断層の活動履歴を代表していないことになるため、この場合はトレンチ調査によって断層の活動履歴を確認する必要性があることも考えられる。