3−4−1 調査目的および調査手法

新庄盆地の断層帯は延長距離10km前後の長さをもつ複数の断層が並列して分布する。これらの断層のうち、最も地形的特徴が明瞭で明らかな累積変位が観察され、かる完新世における活動が平成9年度調査によって示された長者原断層について地形地質精査を実施した。

この調査の目的は長者原断層の最終活動時期をある程度限定することと、完新世の活動についてその単位変位量を検討し、段丘面の変位量から平均変位速度を求めることによって活動間隔に関する検討を行うこととした。

精査では長者原断層の主要部となる舟形町堀内地区において、段丘面の細分を行いこれらの段丘面の地形測量を行った。測量の測線は南北に連続する断層を横断する方向に行い。実施箇所は最上川左岸の低位段丘T面と最上川沿いの沖積面,最上川右岸の低位段丘T,U,V面および、低位段丘T面を侵食して形成された沖積面の計6断面である。

この測量結果に加え、地区内の段丘堆積物の厚さ,構成物などについて踏査・記載を行い断面図に加えた。踏査は図3−4−1−1図3−4−1−2図3−4−1−3に示した範囲において行った。