<地層記載>
No.4孔では耕作土は表層の10cm程度でその直下深度4.00mまではシルト混じりの細粒〜極細粒差が連続する。この砂層中には深度0.17〜0.30m,0.45〜0.75m,1.10〜1.47m,3.30〜3.70m付近に弱い腐植質層が見られるが全体に層理面やラミナの発達は少ない。深度4.00〜7.15mにはシルト層が見られ上部には炭化物の小片が点在し4.30〜4.60m付近では炭化物の量がやや多く不明瞭なラミナも見られる。深度7.15〜8.00mと8.61〜9.24mには明瞭な黒色腐植層が見られる。上部の腐植層には木片が多量に含まれ、下部の腐植層はやや砂質となっており粗粒砂層を挟む。この2層の間には粘土質シルトが見られる。
深度9.24m以下には細粒砂〜中粒砂があり下位程粗くなる深度11.63〜13.00mには細〜中礫混じりの粗粒砂が見られ、この下位は塊状の中粒砂となっている。砂層は淘汰が良く10.55付近に薄い腐植質シルトを挟む以外は塊状となっている。深度13.57m以下はシルトと極細粒砂の細互層となっている。全体に炭化物の小片を含む不明瞭なラミナがあり、深度15.10〜16.03mには木片を含む腐植層が見られる。この腐植層は上部でやや腐植の程度が弱くシルト質となるが、下部は強い腐植となり木片を多く含むと同時に全体的に砂質となっている。また、深度15.73m付近の境界面は約10°の傾斜を示す。
深度16.03〜18.55mは淘汰の良い細粒砂となっており中粒砂の薄層やレンズ状の炭化物層が見られる。深度18.55〜19.61mにはシルト〜腐植質シルトが見られ木片も含まれる。深度19.61〜20.05mは極細粒砂となっているが、深度20.05〜21.89mはシルト・シルト混じり細粒砂となり21.40m付近や21.80m付近には礫が含まれ、深度21.89〜22.70mは比較的粗粒の砂と細粒砂の互層状となっている。深度22.70〜27.18mの間はシルト・細粒砂優勢で23.90〜24.10mにやや粗い砂層を挟む。27.18〜29.02mには腐植質シルト〜黒色腐植層が見られる。上部は腐植の程度は弱いが下部ほど腐植化が進み28.15m付近,29.70m付近には木片が多く含まれる。腐植層中には2枚の礫混じり砂層が挟まれ、ラミナが発達している。
深度29.79〜36.90mの間は砂礫層・礫混じり粗粒砂層となっており、3箇所に炭化物混じり細粒砂や中粒砂層が見られる。砂礫層を構成する礫は比較的礫径が大きく亜円〜円礫が主体となり、下部の2mは細礫混じりの粗粒砂となっている。この砂礫層の下位には炭化物の小片を含んだシルト質細粒砂が見られ、深度40.00mまでシルト混じり細粒砂もしくは細〜中粒砂となっている最下部の地層に見られるラミナおよび層相境界は約15°程度の傾斜を示している。
No.4孔ではNo.3孔との時代面対比を行い同一地層の高度差を求めるために4層順の年代測定を行った。この結果深度4.43m付近の木片から3,260±40y.B.P.の年代値が得られ、深度7.90mの腐植層から4,080±40y.B.P.の年代値が得られた。深度15.60m付近の腐植層からは7,000±60y.B.P.の年代値が得られ、礫層の直上にあたる深度20.06mの腐植層からは7,970±140y.B.P.の年代値が得られた。