<地層記載>
No.1孔では、表層部約10cmの厚さの耕作土がみられ下位には約20cmの厚さの黒色腐植土が観察される。この黒色腐植土までは耕作による攪乱を受けた可能性がある。この下位には深度1.50mまでがシルト層となっている。シルト層中には細礫が点在し最下部には腐植質シルトが堆積している。深度1.50〜2.25には、細粒砂が堆積しており、シルト〜極細粒砂のラミナが発達し淘汰がよい。上部ほどシルトの占める割合が多い。
深度2.25m〜5.10mの間は未固結の砂礫が優勢な地層となっている。このうち上部の2.25〜3.40に見られる砂礫層は角礫が優勢で礫径が小さく、マトリックスはシルト優勢である。これに対して深度3.40〜5.10mの砂礫層は礫径もやや大きく縁礫が主体でありマトリックスも砂質となっている。
5.10m以下には深度20.00mまで固結〜半固結状態のシルト・砂互層が確認される。砂・シルトの単層ごとの厚さは20cm〜1mである。この互層中には深度13.30m付近,16.00m付近,17.00〜18.00m付近に炭化物片や木片が観察されるが、砂−シルトの境界や6.92〜8.22m間や17.05〜18.22m間に見られるラミナでは20〜45°の傾斜が観察される。
上記の堆積物は深度5.10mまでが完新世もしくは更新世後期の堆積物と考えられ深度1.50mの腐植層からは5,750±40y.B.P.の年代値が得られた。これ以下の堆積物は庄内層群の砂・シルト互層と判断される。この孔のコア中には断層面は確認されず、地層の繰り返し等による断層面の存在も確認されなかった。